高齢者に起きやすい聴覚の変化と症状

歳をとって高齢者と呼ばれる年代になると、身体のあちこちに変化が生じるようになります。

特に異常が生じやすいのが耳で、少し耳が遠くなったなと思っていたら、老人性難聴だったというケースは珍しくないのです。この老人性難聴は、加齢による身体機能の衰えからくるもので、若者がなる難聴とはまた異なります。

その違いについては、医学の知識がない人が確実に見分けることは困難ですが、老人性難聴にはいくつか典型的な症状があるので、それを知っておけば気になった時に病院を受診できるようになるはずです。一つ目の症状には、高い音が聞きにくくなることが挙げられます。全体にくぐもったように聞こえるようになったら、老人性難聴が疑われます。

二つ目の症状は、小さい音が聞き取りにくくなる反面、大きい音はうるさく感じられるようになるというものもあります。これはリクルートメント現象と呼ばれる症状です。これもまた加齢性難聴には特有の症状なので、身に覚えがある場合には早めに医師の診断を仰いだほうが良いでしょう。

さらに、三つ目の症状として、周波数の違いがわかりにくくなるというものがあります。微妙な周波数の違いが聞き取れなくなると、ゆっくりと話してもらっても相手が何をいっているのかが理解できなくなります。コミュニケーションに支障をきたす怖い症状です。

加えて、早口の言葉が聞き取れなくなるというのが、四つ目の症状です。音の処理速度が遅くなる結果、そのような症状が生じてしまうのです。